当たり前の話なのですが、商品ロゴはそれがあることで一目で〇〇社の商品とわかります。
キー・ポイントでデザイナーとして働く私は、見た目と年齢はもはや抗えないレベルのおじじですが、ロゴ作りに限らず世界観を創造・カタチにする作業は、昔から一貫して楽しくて。ほんと変わってないと思う。
さて、本題。
デザインあれこれ話を書くにあたり、フォントからアイデアを膨らませていく実践的なものが良いかなあと思い、ド直球のフォントを活用したWebFile(弊社の主力サービス)ロゴタイプでいかせていただきます。
※完成ロゴは正式なロゴマークではありません。
下地づくり(フォントの選択)
まずは下地となるフォントの選択。
現状のロゴはサンセリフ体ですが、世界観を新たに定義します。
「堅牢」「堅実」そして20年続くサービスであることから「伝統」。
この3ワードからtimes系のセリフ体を今回、答えとしました。
*セリフ体の特徴は、文字の端に装飾が付いており、古典的、伝統的といった印象を与えたい時によく用いられます。
ベースメイク
まずは調整なしのフォルム(ロゴタイプ)。
ロゴタイプの綴りはWebfiLeとしました。
リガチャー(合字)による動きや多様な表現の自由度、深遠を狙いfは小文字。
Lはサービスの強みである大容量転送という意味を持たせる。
シンボルとロゴタイプの制作
シンボルはWにfを重ね、ヘアラインセリフでモダンな印象になるように。
ロゴタイプのWはシンボルに寄せる形で。
長体はセリフの特徴の一つですが、平体をかけつつも喜びをささやくようなふっくらした曲線を保つことで、サンセリフ体の持つモダンな印象を与えられるように。
冷たい目で見る
最高なものが出来た!みたいな自分に冷静な自分をぶつけます。
「ふーん」みたいな。
そうすると、なんだか色々気づきます。よく見るとチグハグ。
・シンボルはヘアラインで、ロゴタイプはブラケット。
・元のフォントからの変化に乏しいこと。
この沼りそうな修正作業が辛くも楽しいところ。世界観の大放出。
極めて人間的ですね。
仕上げ
うろこを水平に統一。
より丸みを持たせることでブラケットの特徴を保ちつつ、モダンに。
Wがシンボルとしても独立できる形に。
まとめ
今回は、ロゴ制作を例にしてタイポグラフィに触れてみました。
選択したフォントで多様な世界観を構築できるのって素敵ですよね。
バナーであったり、記事であったり。
そうした日常のふとしたところで何のフォントが使われているか気にかけて見てみると、今までとはまた違った解釈ができたりして、なんかわかんないけど面白いねって。
なんかわかんなくても良いんです、何かしら思えたら。
で、自分もやってみようかなって!
なるかな、なって欲しいな!!
というお話でした。


